『今日の占い、一位は乙女座、
ラッキーアイテムは大きめの鞄、ラッキーカラーは・・・・』


ラッキーラッキー
                     



は――――――・・・・。
一体、今日何度目のため息だろう。
昔からため息をつくと幸せが逃げるって聞くけど、
逃げる幸せもないくらい今日はついていない。
目覚ましはならないし、忘れ物はするし、
そのせいで居残りさせられるし・・・・・。
ラッキーどころかアンラッキー。
あんな占い、もう絶対信じない。
そう思ってた。

「みーなみーくーん」
そんな俺に近づいてくる奴が一人。
ハデなオレンジ頭、人懐こそうな笑みを浮かべて。


「あーららー何してんの南ってば?」
「・・・忘れ物して、居残りだよ」

今日に限って英語の先生は機嫌が悪かった。
きっと昨日の夜、巨人が負けたからだ。
悔しいからって生徒に八つ当たりをしないでくれ。

「へー俺のところは阪神が勝ったからってご機嫌だったよ」

人間ってなんて虫がいいんだろう。
そんなことでいちいち喜ぶなんて。
あー本当についてない。

俺はちっとも手をつけていないプリントを見た。
それでなくても苦手な英語が簡単に終わるはずも無く、
空欄のプリントがやけに眩しい。
は――――・・・。
またため息をつく。早く家に帰って寝たい。
そんなことばかり思っていると時間は一向に進んでいく。

「あれ?これって・・・」

俺のプリントを見ていた千石が、
やけに大きな鞄からゴソゴソと漁りだした。

「あったー。ほらほら、先週やったプリントだよ。見る?」

千石の手には採点済みの同じプリント。
これを写せば帰れる。帰れるけど・・・。

「見ない」
「えーなんで!」
「その代わり、教えてくれ」
「もー南のワガママ―――――。そこが好き―――vvキャvv」
「・・・(キモ・・・)」

君と一緒に居られることが、
俺にとっての一番の幸せだから。


「今日の乙女座のラッキーカラーはオレンジ」



その後、その占いを信じた俺は、人生最大の後悔をすることになる。





HAPPY END?