猫。


気紛れで、
気位が高くて、
そのくせ構ってやらないとすぐすねる。
すぐに離れていって、急に居なくなって、
どんなに捜しても見つからなくて。



私が今、どんな想いで貴方を待っているかなんて判らないでしょう?



あれだけ優しくしておきながら、私を溺れさせておきながら。



いつだって貴方は私を見てくれてはいないのです。




どうして、目の前からいなくなるのです?
どうして、私だけを愛してくれないのです?
どうして、どうして?



どうしてあの人ばかり。




「なぁ、柳生、」


「オマエさんを愛しとーよ」


「だから、俺のものになってくれんか?」



その言葉を信じた私は、気紛れな猫をただ待つことしか出来なくて。






「仁王くん、」


また一つ溜め息をつく。

届きそうで掴めなかったその猫が、
裏口からそっと帰ってきたような気がしたから。


END


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2005/3/13(改)