図書館の裏手にあるデカイ木が夏の俺の指定席。 時折吹く風が木の葉を揺らして、夏の日差しが心地よい。 目を伏せれば、あっという間に夢の国。 それから一体、どれくらいの時間が経ったのだろう。 肩ごしに伝わる吐息と重み。 見開いた目に映ったのは、愛しい愛しい君だった。 ナイト・オン・ザ・プラネット 夏は暑くて寝辛いからあんまり好きじゃない。 でも、木陰から差し込む日差しがあまりにも心地よくて、どうしても逆らえない。 テニスが嫌いなわけじゃない。むしろ、すっげー好き。強い奴との試合なんて最高。 だけど、眠気には勝てないんだよなぁ。しょうがないじゃん。 そういや、こないだ宍戸が転寝していた岳人に向かって「ジロー病か?」なんて言ってたっけ。 酷いよなぁ。俺、病気じゃないし。ただ人よりちょっと寝るのが好きってだけで。 ・・・ちょっとっていうよりはすっげー好きだけどさ。 でもでも、寝ることよりもっと好きなものを見つけてしまった。 それは、野心家で、ちょっと毒舌で、肌すべすべで、すんごい可愛いくって、 好きな言葉は下克上で、きのこに似ています。さぁ、なーんだ。 なんと、正解は日吉若くんでっした。 え、簡単すぎる?ヒント多すぎ?うーん、もしかして俺ってわかりやすい? こんなクイズを日吉に出したら、顔を真っ赤にして蹴られそうになった。 最後のきのこがいけなかったのかなぁ?もしかして、日吉気にしてる? 「そこじゃないっ」 じゃあ、野心家?毒舌?俺はそういう日吉が好きなんだけどなぁ。 「・・・もういいっ」 さらに顔を赤らめた日吉があまりにも可愛すぎたので、頬にひとつ口付けを。 ・・・しようとしたら全力で逃げ出されたので今から追いかけっこ開始。 日吉も足が速いけど、俺だって負けないもんね。 そんなこんなで捕まえて、キスの代わりに今度は一緒に寝ようねって約束したのが昨日。 そういう意味じゃなかったんだけどなぁなんて頭をかいて。 律儀に約束を守る君を愛しく思った。 サラサラの髪が風になびいていくのを見ていたら、眠いのなんて全部吹き飛んでしまう。 日吉の寝顔なんて滅多に見られないのに、ここにカメラさえあればと思う。 とりあえず、可愛い寝顔を脳内にしっかりと焼き付けてから、起こさないようにそっと撫でる。 お、つむじ発見。俺より身長があるから、初めて見たなぁ。日吉のつむじ。ちなみに、左巻き。 周りを見れば、日は沈み、時計を見れば、もう8時。 そういえば、ずっと前にもこんなことあったような気がする。 うちの部活は割とキツいから、結構、体力消耗するんだよね。 それに、日吉は頑張りやさんだから、無自覚に色々と気を張り詰めちゃうし。 俺の隣なら安心して寝れるのかな。警戒されてないっていうのはある意味悔しいけど。 日吉は強い人になりたがってるから。今でも強いのに、もっと上を目指すから。 そこが日吉のいい所だけど、それをよく思わない人も沢山いて。 日吉は他人に助けを求めない。一人でなんでも解決していく。 その力があるのは、きっといいことなんだろうけど。 たまには俺を頼って欲しいと思うのは、わがままなのかな。 俺がこんなことを思っているなんて、きっと夢にも思わない、君の無防備な寝顔にキスを。 昨日の分も。今日の分も。今まで、日吉に会えなかった分も全部。 俺は、君のことが大好きだよっていう意思表示。 「・・・割と俺ってキス魔だなぁ」 独り言を呟いてから今度は唇に、俺のものっていう印をつけて。 星が瞬く空を眺めてから、日吉の肩を優しく揺さぶった。 ***************************************** 2006/8/15 敗戦記念日に一体何を書いているんでしょうか私は。 |