電車に乗っていて、ふと下を見ると、
一面にコスモスが咲いていた。
赤・白・ピンク・・・
色とりどりのコスモスが一斉に咲きほころんでいる。
それだけでなんだか得した気分になる。
お手ごろな心だと言われてもなんとも思わない。
そういう風に出来てしまっている。

秋桜色の想い。



「侑士、みてみてっ、コスモスー」

岳人が両腕で抱えられないほどのコスモスを
部室に持ってきた。

「自分、いくら花泥棒は罪にならんからゆぅても
それはいくらかとりすぎとちゃうか?」

「ちげーよ!俺ん家から持ってきたの!!」

頬を膨らませて、飛び跳ねるその姿に
思わず可愛ええなぁと思ってしまう。


「花瓶とかねぇのー?」

「あ、ここにありますよ向日先輩」

鳳が埃にまみれていた花瓶を取り出す。
普通の男子テニス部には花瓶なんてないだろうに。


「おーじゃあ、ちょっといけるわ」

「・・・お前に花とかいけられんのかよ?」

宍戸が横槍をいれる。
岳人はこれでも華道家元の息子だ。
いけられるに決まっとるやろが。

「当ったり前じゃん。
むしろ宍戸がいけられねーのが不思議だっつーの」

そんなことをいいながら、両腕に花を抱えつつ、
花瓶を持とうとする。


「俺が持ちますよ」

日吉、いいとこ持っていこうなんて100年早いで。


「俺が持つから日吉は練習しとき」

日吉が持っていた花瓶と、
岳人が抱えていたコスモスを持って、
俺は水道場へと向かう。


「侑士、花は俺が持つからいいってー」

「バカやなぁ、岳人。
これ以上花しょって、悪い虫がついたらアカンやろ?」


コスモスを持ち歩く岳人はめっちゃ可愛い。
狙われたらどうするねん。
自分の可愛らしさに気付かないで
敵さん増やして欲しないわ。
まぁ、誰が現れても俺のが男前やけど。


・・・そんなことを思っているうちに
コスモスはキレイにいけられて、
男子テニス部の部室に置かれることになった。


「花があるというのは結構良いものだな」
と監督もおっしゃって、
これからは皆で持ち寄ることになった。


それでも。
どんな花よりも岳人の方がめっちゃ可愛くて、
キレイだと思ってしまう自分が、
ちょっと怖い。(笑)


「侑士ィー!!」

「なんやー?」

「練習、やろーぜ!」


今はまだ、色気に足りないお年頃。
しょうがない。
だって、コスモスの花言葉は「純潔」

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あとがき

まともに忍岳って初めてじゃないでしょうか。
もう関西弁が嘘くさくてごめんなさい。
茅原サマに捧げさせていただきます。(煮込め)