ミヤこと、御柳芭唐は俺の後輩だ。
一年で四番、スポーツに関しては天才的。 何をやらせてもソツなくこなす。
結構っていうか、かなり自慢の後輩気( ̄^ ̄)
でも人間誰しも欠点が存在するもので。
それがミヤの場合、あいつ自身の性格と―――女癖の悪さだ。

ミヤは面倒くさがりで、でも厄介ごとに首を突っ込むのが大好きで、
そのくせ何気に退廃的で。そして極め付けに節操がない。
年齢なんて関係なしで、TPOもまるで無視。
むしろ無問題(気にしない)?
とにかくモテないくんと知り合ったら、その日の内に刺されそうな奴だ。

だけど。

そんな女の敵…いや男の敵?ミヤが最近変わった気がする。
言って、何処が?って聞かれると、俺はこう答えるしかない。

「例えば女の数とか」

だって前は一週間に十人っていうバカみたいなペースだったのに、
それが今は半分以下の二人になった。
それでも手出し続けてるトコがミヤなんだけど…信じられんねー(◎_◎;)
白春と一緒に騒いでたら、丁度本人が現れたのでコトの真相を究明してみた。


「女の数が減った?
ああ…だって、あんなのコト続けてたら本命に嫌われちまうっしょ」


…。
……死ぬホド、ビックリした。てゆーか、死ヌかと思った。

「御柳…ヤクでもヤッてるんが?」
俺ほどじゃないにしても、やっぱりビックリしたらしい白春が言った。

「ヤク? ヤッてねっすよ」
「だっで…本命って、そういう幻覚……」
「イヤ、現実だし」

ミヤのツッコミ。
白春はそれでも信じられないといった表情で、ミヤを見ている。
てゆーか、俺も信じられな気だけど…。

「じゃ、じゃあさ…相手、誰?(;^‐^)」  

恐る恐る聞いてみると。ヤツは見たコトもナイような、
そりゃあもうスバラシイ笑顔で言った。
あ、廊下でミヤの笑顔を見ちゃった先生が倒れた。

「十二支高のピッチャー鹿目筒良。」
「男じゃん!!」

思わずツッコむ。
てゆーか、十二支のピッチャーで鹿目って、
あの頭ピンクの九回裏に登板した二段カーブのピッチャー?
俺、打ち取られたんだけど…。
思い出して、ちょっとムカ(;-_-+
だけど俺がムカついてても、ミヤに伝わるわけなさ気だし(-_-;)
ミヤは余裕って感じで笑いながら言った。

「男でけっこーっすよ。別に性別でホレたワケじゃないし」
「うわ、マジだ」

たまたま現われた墨蓮が言った。
そーいやクラス一緒だっけ? この二人(?_?)

「なあスミー。ミヤってマジになるとああいうコト言う気なの?(=_=;)」
「えーと、そういうワケじゃなくてですね」

墨蓮ことスミ(墨蓮が本名だ)が考えるように首を傾げる。

「今まで、御柳がああいうコト言ってるの聞いたことなくて。
だからマジなのかなぁ〜と。
それに、アイツの女遊びマシになって来てるでしょ?それでっスよ」
「―――つーか」

ガシッとスミの首に腕が回された。
ああ… (=_=;)

「墨蓮のくせに、ナニ生意気に考察してんだよ」
「いっ痛い痛い痛い!!」

ミヤにプロレス技かけられてるスミ…。  
  
「バーカ、痛くなるようにしてんだから当たり前だっつーの」
「御柳のバカ〜!! 放せ〜!! つーか痛ぇ!!」

……ホント仲いい気だなあ(^_^;)じゃれ合う(笑)
二人を眺めながら、白春が持参したお菓子を食べる。
…にしても、スミのくせによく見てる気だなぁ…( ̄- ̄)


「朱牡丹」

ひょいとドアのところから顔を覗かせたのは、帥仙さん。

「あー…帥仙さん、どうしたんスか?(?_?)」
「今日は部活がなくなったらしい」
「?何でっスか?」
教室に入ってきた先輩を見上げて首を傾げる。

「監督が急用で早退したらしい。
それで、何の気紛れかは分からんが、部活は休みになった」
「へぇ〜」

それは確かに珍し気かも〜(*_*)

「―――あ、そういえば帥仙さん」
「…? 何だ?」

立ち去ろうとした帥仙さんが振り返る。

「ミヤがマジになった気なんですけど、信じられます?(◎_◎)」
「………………御柳が、何に、本気になったって?」
「恋に。」

せいぜい真面目な顔で言った。
そしたら帥仙さんは、長い長い沈黙のあとにこう呟いた。

「……………………世も末だな」

先輩。21世紀はまだ始まったばかりです。

「とにかく相手に同情するな。誰だ?」

髪を掻き上げて言う帥仙さん。
ミヤって印象悪気なんだなあ(^_^;)

「十二支高のピッチャーで、鹿目っていう…」
「―――」

目を見開く帥仙さん。

「えっ、なっ、何スか?(@_@;)」
「……」

帥仙さんは、俺の問い掛けには答えずに、
まだスミとじゃれているミヤを見た。そして言った。

「…前言撤回だ」
「は?(@_@;)」
「御柳…心の底から、同情する」

心の底から、て…何でそんな(*_*;)

「帥仙さん…?ヽ(-_-;)」
「屑桐にでも聞け。俺は無関係だ」

無関係ってゆーか、関わりたくないって態度でキッパリ言う帥仙さん。
そして、今度こそ教室から出て行った。

「な…何だったワケ…?(◎_◎;)」
「さぁ…? 何かビビってたング」

白春と顔を見合わせる。

「帰りに屑さん捕まえて聞いてみるが?」
「そーするしかなさ気かも。
ミヤに聞いても、嘘っつーか出任せ言われそうだし(^_^;)」

まだスミとじゃれてるミヤを見て言った。




部活のなくなった放課後―――校門のところで、屑桐さんを捕まえた。

「屑桐さん、ちょっと聞きたいことがある気なんですけど」
「何だ?」

立ち止まって問い掛けてくる屑桐さん。

「十二支の鹿目ってピッチャーのことなんですけどぉ〜(^^;)」
「…奴がどうした?」

やっぱり知り合いらしい。俺と白春は顔を見合わせた。

「何か、ミヤがその人にマジになった気なんですよ。
だから、どんな奴なのかなーと思って(^O^)」

…嘘はついてない。どんな奴なのか、気になるのは本当だし(>_<;)


「鹿目か…。あいつには中学時代から一度も勝てた試しがない」
「「え゛?」(*_*;;)」

勝ったことない?
固まる俺と白春。屑桐さんは構わずに、言った。

「細いくせにやたらと腕の立つ奴でな…。
牛尾と同じ学校にいったと知った時は驚いたが、
変わっていないようで少し安心し―――ん‥? どうした。録、白春」

どうしたもこうしたも。あのピンク頭のピッチャーは、
本当に非力気だったからびっくりしてるんですよ……って、
心の中で言ってもしょうがないけど(−_−;)

「どうしたもこうしたもないング…」
「人は見かけに因らない気だなあ、と…(ー_-;)」

俺と白春の言葉に、屑桐さんは苦笑した。

「俺も同感だがな。」

やっぱ、みんな同じこと思う気なんだなあ。
個性というものを再確認する。

「にしても…御柳のやつマジなんが?」   
「さー? マジなんじゃない? 本人じゃないから分かんないけど」
「ところで、御柳が鹿目に本気になったというのはどういうことだ?」
「屑さん……」

…ま、まぁ、そりゃあれじゃ分かんない気、だよね…(¬_¬;)
つーか、ちゃんと分かってないから、普通に話してくれたのか…(ー_-;)

「ケンカをしたのか?」
「イヤ多分違います(ー_-;) あのっスね〜ι
ミヤはその鹿目ってピッチャーに、恋しちゃった気なんですよ。
それもマジで」
「―――」

あ、屑桐さん固まった。白春が、間を取るようにくしゃみをする。

「……御柳が、鹿目に、恋?を、した?」

何で恋の後ろに疑問符が(^_^;)

「そーです」

頷く。
屑桐さんは、何とも言えない、微妙な表情をする。

「御柳と鹿目のどちらに同情するべきなんだろうな」
「屑桐さーん(^_^;)」

真顔で言わないでくださいよ…(−_−;;)

「あ゛、御柳」

白春が呟いた。
屑桐さんと一緒にそっちを見ると、確かに。

ミヤ、と鹿目筒良本人がいた。


「こんちわー筒良さん♪もしかして、オレに会いにきてくれたんすか?」

うっわぁ…(;ー_ーV)ミヤの表情……。

「キモいング…」

ぼそっと呟く白春。
いや、俺も同感気だけど(ヒド)。

「そんな可能性は、0.0001パーセントも存在しないのだ」


「……俺らよりヒドいング…」
「確かに…(*_*;)」

あまりにも容赦ない言い方に、俺と白春が固まっていると、
屑桐さんが急に歩き出した。

「(Σ◎□◎;)屑桐さん?」

慌てて追い掛ける。

「御柳、鹿目」
「お」
「屑桐。ちょっといいのだ?」

振り返って、ちょっと目を見張るミヤと、
平然として用件には入ろうとする、十二支の鹿目筒良。

「構わん」
「そーか。これ、おばあちゃんからなのだ」

紙袋を差し出す鹿目…お、おばあちゃん?;

「…あの人からか」

屑桐さんの表情が微かに和らぐ。

「みんなで食べてって。お菓子らしいのだ」
「そうか。よろしくと伝えてくれるか?」
「了解なのだ」

鹿目が薄く笑う。
俺も白春も、その笑みを見て固まってしまった。
…すっごい、男子高校生だとか思えない笑顔。

「…花…みてーだぁ…」

白春が、ぼそっと呟いた。
確かに、白春の言う通りだった。
男には見えない。中学生くらいの女の子みたいな笑み。

「つーか、筒良さんと屑桐さんって知り合いなんすか?」

ミヤが、挙手して質問する。

「…ああ。…鹿目、言っていなかったのか?」
「あー…」

屑桐さんの問い掛けに、頬を掻く鹿目。

「忘れてたのだ」

あはは、と口の端を引きつらせるような感じで苦笑いする。
…。…何かなあ、仕草がいちいち可愛気な人だなあ。
思わず感心(◎_◎;)

「えーとだな、僕と屑桐の家は近くて、
小さい頃から一緒に遊んだりしてたのだ」

…ミヤ……顔が引きつってるぞ…(-_- )
何ていうか。
ミヤって今まで、内心の分からな系のキャラだったのに。

「ありゃ、確かにマジだなあ゛…」

白春は半ば感心したように言う。

「でも脈薄気〜」

俺の一言が聞こえたのか、ミヤはガバッと鹿目を抱き締めた。
…ホント分かりやすい奴になっちゃってる気だよ(;^_^A

「何するのだ、お前…」

そして反応の薄い鹿目。

「とりあえず優先権を主張してるトコです」

にっこり笑うミヤ。怖っ(Σ◎-◎;)

「はぁ? 優先権?
そんなの付き合いの長さで屑桐の方にあるに決まってるのだ」



俺・白春・屑桐さん絶句。ミヤなんか、完璧凍ってる。
鬼だ…!!この人絶対鬼だよ…!(TДT;)

「ん? どーかしたのだ?」

しかも自覚なしだ…!
俺はこの瞬間、ミヤの恋を全面バックアップしようと決めた。
だって可哀相すぎだって!
御柳芭唐が恋をした。イバラ道な恋だった。
ミヤ、ファイト!

終。
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玖珂セイサマから戴いた芭鹿小説。有難う御座いましたvv