白い世界にたたずむ少年。
ちょっと長めの黒髪を掻き分けて。
静かに笑う、その笑みは弱弱しくもあり、
隣で元気よく話す赤い髪の少年とは対照的だとよく言われる。
どうしてなのか彼とは気が合うのだ。
それこそ、磁石のように。
お互いに持つものが違うからなのかもしれない。
そして、彼はこの真っ白な病室から
外の世界へ帰っていった。



空を見れば赤い空。燃えるような、彼の髪の色に少し似ている。
以前は手に入ったそれも、今では眺めることしか出来ない。
それは、空だけでなく、彼にも当てはまる。

見ていることしか出来ない。

世界がめまぐるしく変わっていって、一人だけ取り残された気分だ。


彼はいつも仲間と共にここにやってくる。
手土産のお菓子をねだるのはいつものことだ。
その笑顔に勝てるはずもなく、
ましてやお菓子に執着しているわけでもないので、
大抵のものは彼の胃袋に納まる。


彼を甘いお菓子で釣れば、その顔に書いてある、


「幸せ」


そんな彼の笑顔から溢れるモノの名前をもっている事が少し嬉しかった。






いつか、いやすぐにでも。
君と、君たちと共にあのテニスコートで。


白い世界。寡黙で美しすぎる場所。
(こんなところではなく、もっと果てのない場所で)
自閉気味の白は鮮やか過ぎる赤に焦がれる。
燃え盛る炎はとどまることを知らずに。
その胸には赤々とした灯が、途切れることなく燈っていた。



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2004/02/06