昔々、ある所にあくつずきんという
大層可愛らしい男の子が居ました。
しかし、あくつずきんは家庭環境のせいでグレてしまい、
喧嘩にタバコ、何でも来いの不良少年になってしまいました。

ある日、お母さんが云いました。
「ねえ、仁ちゃん?おばあさんが風邪を引いてしまったそうなの。
悪いけどお薬と葡萄パン、届けておいてね。」
「ああッ?なんで俺がそんなこと・・・・。」
「・・・・・行ってくれるわよね?」
お母さんの有無を言わせない一言で、
あくつずきんはかったるいと思いながらも
おばあさんの居る森へと向かうのでした。




「あ〜かったりぃ。なんで俺がこんなこと・・・・」
あくつずきんが文句を云っていると、
オレンジ色をした狼がやって来ました。
「あ〜っくんッッ!!!」
目をキラキラさせながら抱きついてきます。
「・・・今、俺は機嫌がワリィんだ。さっさと退け!!」
「え〜ヤダァ〜!何?今日は何かあるの?」
狼はあくつずきんの脅しにも屈せずに尚も抱きついてきます。
二人は不良同士、そこそこ仲が良いのでした。

「ババアが風邪でぶっ倒れたんだとよ。」
ぐぐぐ、と狼を引き離しながらあくつずきんは云いました。
「へぇ、それでお見舞いかぁ。あっくんて優しいなぁ。」
狼はへらへらと笑うのであくつずきんは怒りました。
「俺がいつ見舞いに行くって云ったんだよ?」
「じゃあ、行かないんだ。」
「いかねぇよ。」
「ふぅん? ・・・あ、良い事考えた。ねぇ、あっくん?」
「なんだ?」
あくつずきんはタバコに火をつけました。
狼に勧められて買った「ラッキーストライク」です。

「俺が代わりにその荷物をおばあさんの所に持って行ってあげるよ。
その間に其処の店でモンブランでも食べてきたら?
俺、昨日タダ券拾ったんだ〜。」
ハイ、っと券をあくつずきんに渡し、
狼はおばあさんの所へ駆け出して行きました。
「な、おいッッ・・・・。」
あくつずきんは追いかけようと思いましたが、
モンブランの誘惑には勝てず、貰ったタダ券を握りしめて、
ケーキ屋さんに直行したのでした。





狼はおばあさんの家に辿りつくと、
あくつずきんの声色を真似て家に入りました。
そこには風邪で苦しんでいるおばあさん(とおじいさん)がいました。
「・・・・あくつずきん?」
おばあさんは寝込んでいる為、
狼の顔を確認しようとは思わなかったらしく、
声だけで狼を家に入れてしまいました。
「んだよ?(こんな感じかなぁ〜?)」
「貴方がきてくれるとは思いませんでしたよ。
 風邪が移るといけないから早くおかえりなさい?
 ああ、それとお小遣いでもあげましょうかね。」
そういって、近くにあった財布からお札を取り出しました。

「(やった〜!!俺ってラッキー)・・・ふんッ。」
「・・・まったく、おじいさんまで倒れるなんて
この風邪はしつこいですね。 こんなバカまで引くんですから。」
おばあさんは隣で寝ているおじいさんを見て云いました。
浅黒いおじいさんは何かにうなされ、
「う〜ん、もう止めてくれ〜。頼む〜、観月ぃ〜(泣)」
と必死に懇願していました。
「・・・ムカつきますね。この男は何を考えているのでしょうか?」
おばあさんは悪態を付きつつも、幸せな顔をしていました。
狼はいつかあくつずきんと暮らしたいなぁ〜と思いました。





所変わって、あくつずきんは狼から貰ったタダ券で、
美味しいモンブランを食べていました。
其の店は猟師が副業でやっているお店でした。

「だだだだーん!!!あくつずきんさん、
 モンブランもう一ついかがですか〜vvvv」
可愛らしい猟師の子供がウェイターをしています。
「おう。」
あくつずきんは大好きなモンブランを食べられて幸せでした。
それが一層あくつずきんの愛らしさを引き出されていました。
「(あくつずきんさん、今日は一段と可愛らしいですvvv)
 そういえば、今日はどうしたですか?
 確か、おばあさんのお見舞いに行くのではなかったですか?」
ウェイターがあくつずきんに話し掛けてきました。
「なんでお前がそんなこと知ってんだよ?」
あくつずきんはモンブランを頬張りながら尋ねました。

「あくつずきんのお母さんが云ってたんだ。」
店の主人がコップを拭きながらいいました。
「あいつ、来てやがったのかよ?
 わざわざ、俺が行く意味ねぇじゃねーか!!」
あくつずきんは怒り出してしまいました。
「でも、結局行ったんだな。」
「荷物持ってないですもんね?」
猟師の親子がそういうとあくつずきんは言いました。
「行ったぜ?ただし、狼がな。」






あくつずきんの代わりにおばあさんの所に行った狼は、
おばあさんとおじいさんのどちらを食べようか迷っていました。
おばあさんは美味しそうだけど量が足りない。
おじいさんは量があっても美味しくなさそうでした。
「う〜ん、どうしようか?」
それに二人は今病気です。
悪い菌ならば狼さえも病気になってしまうかもしれません。
「やめとこ〜っと。」
狼は二人を食べるのを止めて、
あくつずきんの所に行くことにしました。



其の頃、お店では狼を退治しようと猟師が仕度をしていました。
「まったく、何を考えているのか・・・・。  普通、お使いを狼に頼むか?」
「あくつずきんさんは普通じゃないですよ。」
「おい、云ってんじゃねーぞ、こら。」
あくつずきんはまた怒り出しました。
「ち、違うです〜。大物だって云いたかったんです〜(汗)」
「二人とも喧嘩しない。」
猟師さんはそう云って、
あくつずきんのおばあさんの所に行ってしまいました。





しばらくすると、狼が帰ってきました。
「あ〜っくん。か〜え〜ろ〜!」
お店の外で吠えたてます。
「んあ?アイツ死んでねぇじゃねーか?」
さり気なく非道いこといってます、あくつずきん。
「だだだだーん!!!
それって僕のお父さんも食べられちゃったてことですか〜?」
猟師の子供はうなだれました。
「男手一つで育てられてはや13年。太一は天涯孤独の身です〜(泣)」
そういってあくつずきんに抱きつきました。
「おい、まだ分んねーだろ?」
あくつずきんは少し可愛想になりました。
「いいんです。気休めなんて。」
太一はフルフルと首を振りました。
「お父さんとの別れは悲しいです。
 でも、太一にはあくつずきんさんがいるから大丈夫です」
ね?と云われ、うっ、と詰まるあくつずきん。
あくつずきんはとても優しい少年でした。




「へぇ、何が大丈夫なの?」
外で何度読んでも出てこないあくつずきんを心配して、
狼はお店の中まで入って来ました。
「出てこないと思ったら、こんな子供の相手してたんだ〜。
 ま、用事も済ませてきたし、早く帰ろうよ?」
にっこりと太一に氷点下の笑みを見せる狼。
「まさか、ババアどもを食ったんじゃねーだろうな?」
「いんや、あんまり美味しくなさそうだったからね〜」
狼は首を横に振りました。
「ぼ、僕のお父さんは食べてないですか?」
太一が狼とあくつずきんの間に入りながら尋ねます。
あくつずきんを取られないように必死です。
「さぁ?あそこらへんは他の狼もいるしね。
 心配なら早く助けに行ったら?
 もっとも、あんまり美味しくなさそうだったけど。」
「なッッ、お父さんの仇め〜」
太一は近くにあった銃で狼を狙いました。
しかしなかなか当たりません。
「俺ってば、ラッキーだかんね〜」
にひひ、と笑いながら狼は近づいてきます。
「あくつずきんさんは渡さないです〜」
尚、銃を向ける太一。
「渡すも何もあっくんはもう俺のだし?」
軽々と銃弾を交わす狼。
二人の攻防は物凄い勢いです。
それを黙って見ているあくつずきん・・・・・?



「「・・・・あれ?」」



そこにはあくつずきんは居ませんでした。
見ているのもバカらしくなったあくつずきんは
二人を置いてさっさと家に帰ったのでした。
それからというもの、あくつずきんは狼と猟師の息子の二人から
熱いラブコールを送られ、ますます非行に走るようになるのでした。


                       
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おまけ


猟師があくつずきんのおばあさんの家につくと
何か声が聞こえてきました。
(もしかしたら、二人とも食べられてしまっているのでは?)
猟師は心配になって真っ暗だった部屋に灯りをともしました。
そこにはラブラブな二人の姿が・・・・。
「なっ、勝手に人様の家に入らないで下さい。」
「俺と観月の邪魔しようってんのか?この地味顔が!!!」
「なんだ、地味顔って!!!あんただってパッとしないじゃないか!!」
「五月蝿いですね。いいから早く帰って下さい。(怒)」


結局、猟師の出番などないのでした。

                      end
 
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言い訳

ハイ、赤ずきんちゃんin山吹でした。
おばあさん&おじいさんは弁解するまでもなく私の趣味です。(笑)
千石vs太一も。(笑)
こんな駄文で申し訳ない・・・・。
あんまりあっくん出てないし(汗)
最後、南部長哀れすぎ・・・・・・。


CAST
赤ずきん:亜久津仁     猟師:南部長
狼:千石清純        猟師の子供:壇太一
おばあさん:観月はじめ   おじいさん:赤澤吉郎