この喉から零れ出たのは、
普段いえない君への思い。

この手が触れたたがるのは、
暖かい君の温もり。







赤澤はバカだ。
彼を知るものは皆、一様に思うだろう。
自他ともに認めるバカ男。
バカで無神経で将来のことなんて何も考えてなくて、
異様な叫び癖のあるバカ。
だけど、
人一倍優しくて頼りがいがあって、



自分とはまるで正反対な確かな存在。



「あか、ざわ・・・」


隣で寝ている彼は、
自分がこんな風に思われているなんて知らないだろう。
バカだバカだと罵って、
偉そうにしているような僕なんかに。



「好き、ですよ」





そう云って唇を合わせる。
普段は絶対言わないけど、今日は、特別。
自分の生まれた日くらい
素直になってもいいかと思ったから。


誕生日パーティで本人でもないのに一番張り切り、
騒ぎ疲れた赤澤は、すやすやとよく寝ている。
明日は普通の授業で普通の生活を送らざるをえない。
観月も早く寝ようとベットに潜り込んだ。
その時、赤澤の口から何かが聞こえた。



「愛してんぜ観月。」



夢の中でも自分を愛してくれている赤澤。
観月は不覚にも赤くなった顔を諌めながら
心の中で

”僕もですよ”

と云った。






この喉から零れ出たのは、
普段いえない君への思い。

この手が触れたたがるのは、
暖かい君の温もり。




end




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2003/5/22